2020東京オリンピックパラリンピックまであと2年、あっという間ですね。
東京では、そんなこともあり多目的トイレの設置が増えてきています。
増えることはとてもいい事なのですが、増えると同時に少しずつ課題も感じています。
ところで多目的トイレとはなんでしょう。とある自治体のホームページにおいて
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多目的(多機能)トイレとは、車いす使用者が利用できる広さや手すりなどに加えて、オスト メイト対応の設備、おむつ替えシート、ベビーチェアなどを備えることで、車いす使用者だけで なく、高齢者、内部障がい者、子ども連れなどの多様な人が利用可能としたトイレのことです。
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と書いてあります。少し前だとバリアフリートイレ、車いす用トイレと言われていた感じのトイレです。そこにオストメイト、おむつ替えベッド等を設置し様々な人が利用をできるようにと考えられた問トイレのことです。
東京都では「東京都福祉のまちづくり条例」において、ある一定規模の施設(建物)を建設するときには多目的トイレまたは車いす用トイレを設置しないといけないとしています。
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kiban/machizukuri/manu26/manu26.files/manu2014-05-01.pdf
そのため、コンビニのトイレが多目的トイレになっていたり、飲食店にも多目的トイレが設置してあったりトイレの設置数はとても増えていると実感しています。
さて、表題の「トイレは建具が命」。
建具という言葉、大半の方は聞きなれないと思います。建具とは扉、窓などのことをいいます。トイレにおける建具とは扉のことですね。特にトイレの個室における扉の重要性はとても大きいものと考えます。
先日、友人と渋谷にあるCAFÉに行きました。友人は難病を抱えていて車いすを利用しています。そのために行動する先のトイレについてもある程度調べて行動をしているそうです。そしてそのお店には多目的トイレがあることがわかっていました。
さて、そこで問題が発生したのです。CAFÉで打ち合わせのあと友人はトイレに行きました。でも直ぐに出てきたのです。それはなぜか?
扉の鍵が閉められない。
多目的トイレに入り扉を閉め、鍵をかけようとしたときに
鍵の位置が高く手が届かなかったそうです。
鍵の位置を確認したところ成人男性のお腹の位置です。
車いすユーザーであれば胸元の高さ。
あれ?そんなに高くないね?そう思いませんか。
そうです。手を伸ばせば届く高さです。
ただ、友人は難病を抱えて車いすを利用しています。そして手を挙げることが困難だったのです。ひとによっては胸の位置まで手を挙げることが難しい方もいます。
多目的トイレの標準配置には扉のサイズ、鍵の位置などきっちりと書いてあります。
でも、すべてのトイレが標準図通りに設置できる訳ではないですよね。
だからこそ、誰が使うのか。どのようのことが出来て、どのようなことが出来ないのかを想像する必要があると思います。
2018.05.04
星野 勝太